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社会に必要とされる
存在であるために

社会に必要とされる存在であるために。

「経営理念やパーパスを実践する」というと、言わずもがなのことのように聞こえます。しかし、すべての企業が掲げた信念にしたがって営みをつづけているかといえば、そうとは言い難いのではないでしょうか。世の中を見渡すと、ビジネスが地球環境に負荷をあたえ、行き過ぎた営利活動がさまざまな社会問題を起こしています。このままでいいのか?と強く思います。私たち企業人は自らの欲望にとらわれず、もっと世の中に貢献すべきではないか。社会に対して掲げた自らの理念を実践しなければ、社会から不必要な存在とされ、やがては利益を生むことも、会社として存続することも難しくなるのではないでしょうか。

企業が存続するためには、持続的な成長が不可欠です。では、成長するために必要なものは何か。もとより企業に関係する人の努力や能力がベースにあります。ただ私は、企業の成長は「運」によるところも非常に大きいと考えています。マリモグループの半世紀を超える歩みを振り返っても、その折々に恵まれた運が、私たちの成長を大きく後押ししてくれたと素直に回想します。しかしながら、好運はじっと待っていてもやって来ません。運は自ら手繰り寄せるものであり、好運に恵まれることにも理由があると考えるべきでしょう。私は、運は考え方に導かれるのだと思います。すなわち「良い考え方が運を引き寄せる」ということです。企業における考え方とは、経営理念です。マリモグループでいえば「利他と感謝」です。私たちはその精神、その思想、その考え方を磨き上げ、実践することで運を味方にしていきたい。自らの欲望にとらわれず、他を利する心をもって世の中に貢献し、社会から必要とされる存在でありつづけたいのです。

いまマリモグループは“他を利する心”をよりいっそう体現する企業になるべく、10年ビジョンとしてソーシャルビジネスカンパニーへの進化を模索しています。具体的には、「MAP(Marimo Activity Portfolio)」という経営指標にしたがって、2030年をめどに「ソーシャルとビジネスの割合が50対50で共存する会社」になることをめざしています。「ソーシャル」と「ビジネス」。一見すると相反するように感じられるかもしれませんが、その両極端を兼ね備えているからこそ意味があると思うのです。ポスト資本主義社会にふさわしい企業とは、ソーシャルとビジネスの両方をバランスよく、違和感なく共存させた組織ではないかと考えています。

ソーシャルビジネスカンパニーを志向する結果、たとえばマンション開発事業や収益不動産事業の価値が失われるということはありません。そもそも住宅や商業ビルなどの事業推進は、人びとのしあわせや地域の持続可能性に直結する価値提供につながります。そのうえで私たちは不動産以外の新たな事業の柱をつくっていきます。2024年8月に設立した株式会社マリモソーシャルソリューションズは、その実践を担う事業会社です。同社はすでに「公共福祉」「環境衛生」「ウェルネス」「地方創生」「グローバル」「IT」の6つの事業領域で、さまざまな社会課題の解決をめざすビジネスを展開しています。今後もM&Aや他社とのアライアンスも視野に入れながら、社会の要請に応えるソーシャルビジネスに取り組んでいきたいと考えています。多彩な事業を起こし、多様な人材がグループ内で躍動することでマリモグループの既存ビジネスも進化していくはずです。国内不動産事業、海外不動産事業を含め、全事業が社会貢献度をよりいっそう高め、さらに価値のある組織になっていくと確信しています。

社会が変化する以上、会社の変化は必然です。企業人である以上、自らを変えていく勇気と挑戦心は必須です。私たちは自らの殻を破り、多様な事業や人材を有する企業グループへの変貌をめざします。ソーシャルビジネスカンパニーというビジョンが、難易度の高い挑戦であることは承知しています。しかし、私たちには手応えがあります。自信もあります。私たちは過去に幾度も自らの殻を破ってきました。1970年に設計事務所として創業したマリモは、1990年代にマンションデベロッパーに変貌を遂げ、2010年代には不動産総合デベロッパーへと進化しました。その歩みは企業としての存在意義や提供価値を探求してきた軌跡です。変化に挑むスピリッツは私たちの真骨頂です。マリモグループの新しいチャレンジにご期待ください。そして、みなさまとともに素晴らしい社会をつくっていくために、よりいっそうのご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

ソーシャルビジネス(ソーシャル)とは、2006年にノーベル平和賞を受賞されたムハマド・ユヌス博士が提唱されている、
「自らの利潤の最大化を目的とするのではなく、人々や社会の抱える問題を、ビジネスの手法を用いて解決する」活動。

株式会社マリモホールディングス
代表取締役社長

深川 真

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